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放送作家部

多くのアイディアを生み出すためにはひらめきだけに頼るわけにはいかない。
だからと言って人のアイディアを真似するだけではただのパクリになってしまう。では、人から学んだこと、感銘を受けたものをどのようにアレンジしてオリジナルのものにしていくか?
この理論で、「アイディア」からアイディアを生み出す方法がわかる!

0から1を作ることは大変だ。何もないところからひとつのことを作るのは困難な作業である。ひらめくことがあって突然自分だけのオリジナルの企画やネタが思い浮かぶことももちろんあるが、実はこれはまれなことであり、毎週たくさんの企画を考え、そして常にある程度のクオリティを維持しなければならない放送作家やクリエーターにとってはいつひらめくかわからないひらめきばかりに頼るわけにはいかない。

ではアイディアを量産するためにはどうするか。そこで1を1’にしてそれを磨き2にしていく。例えば、自分が何かに感動した時、それを真似してみようと思う。だが、ただ真似をしただけではそれはただの真似であり、二番煎じやパクリと言われてしまう。だからその真似したものをせっせと自分流に磨いていく作業をする(アレンジを積み重ねる)ことで、自分色に磨きあげられいつしかそれは自分のオリジナルの作品になっている。
パクリ→アレンジ→オリジナル

みなさんは好きな人がいるときにラブソングを聴いて好きな気持ちが強くなったり、歌に勇気をもらって告白することができたという経験はあるだろうか。
スケートの安藤美姫選手が試合の前に絢香の曲を聴いているというのも有名な話だ。プロ野球でもバッターボックスに入る前にバッターの好きな曲が場内に流れたりするから音楽が影響を与える影響はとても大きい。ミュージシャンが想いをこめて作った曲が、それを聴いた誰かに影響を与えている。

「笑っていいとも!」は毎日お昼に放送される人気長寿番組だ。
この放送を作る時も、出演者やスタッフの色んな思い込められている。
例えば、普通なら12時に家にいる人に向けて作っている。だがそれはお昼の時間に家にいる主婦層ばかりに向けて作っているのではない。「いいとも!」を作っているあるスタッフはこんな思いで作っている。それは「風邪で寝込んでいる中学生に向けて想いをこめて作っている」「笑っていいとも!」はご存じ、フジテレビでお昼12時から放送されている番組だが、同じ時間帯の他の局の番組と比べてみても、ゲームがあったりバラエティ要素が強かったりとその番組構成は異色だ。ここにあるスタッフの「風邪をひいて寝込んでいる中学生へ向けて」という想いがある。朝から熱があり学校を休んで11時くらいまで寝ていた中学生が、お昼ごはんを食べながらふと「いいとも!」を見て楽しんでくれて、元気が出た。学校には行けなかったが「いいとも!」を観られて面白くてちょっと得をしたと思ってくれたらいい。そこを目指してあのお昼の長寿番組を作っていると言う。

世の中は誰かの仕事を感じると誰かがイイ仕事をすることで回っている。放送作家をはじめエンターテイメントの仕事とは具体的な何かを生み出しているわけではない。農家のようにお米や野菜を育てているわけではないし、工場であれば、シンプルにモノを作っている、と言える。テレビは具体的にモノを作っているわけではないけれど、番組やアイディアを真剣に考えることで、小さくてもそれが社会を元気づけていることにつながると思うとやる気がわいてくる。